2009年3月発足 日本ピエゾ臨床研究会

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一般に、ピエゾ(Piezo)は日本語で「圧電」と訳され、機械的な力が電気信号へ、逆に電気信号が機械的な力へと変換される現象を意味します。身の回りでは、スピーカーやエレキギター、デジタルカメラのフォーカス機能、インクジェットプリンターなどにも利用されています。


歯科領域、特にインプラント治療において近年「ピエゾ」が注目されている理由として、ピエゾエレクトリック機器がもつさまざまな優れた特徴が挙げられます。

1. 安全性
ピエゾエレクトリック機器の最大の特徴は、硬組織(骨・歯など)を切削しながら、軟組織(皮膚・粘膜・血管・神経など)を傷つけないことです。歯肉や粘膜を痛めずに安全な骨切除が可能となり、手術でのミスを減らすとともに、治療時間の短縮も期待できます。
2. 正確性
ピエゾエレクトリック機器を用いると、非常に正確で緻密な骨切削が可能となります。数10μm〜数100μmの微細な振動により、非常に滑らかな切削面が得られ、正確で予知性の高い施術を行うことができます。
3. 簡便性
ピエゾエレクトリック機器を用いることで、これまでアプローチの難しかった症例や、高度な技術が必要とされた症例に対して、非常に簡便に治療を進めることが可能になります。歯科医師の日々の治療の可能性を広げる、新しい標準ツールだと言えるでしょう。

失敗の少ない安全で正確な治療を容易に行うことができ、患者と歯科医師の双方への身体的、精神的ストレスの軽減につながることが期待されます。


ピエゾエレクトリック機器は、世界では欧米を中心にすでに広く普及しています。アジアでも特に韓国では早くから取り入れられ、機器の性能やチップの形状も常に進化を続けています。日本での普及はまだ始まったばかりですが、ピエゾエレクトリック機器が身近になるにつれて、多くの症例への応用が検討され、各種セミナーや講演会も盛んに行われ始めています。